2013年10月8日火曜日

【ちょっと気になるアート入門8: CMプランナーの生き方、生き残り方】

facebookに投稿をした以前のものを、ブログ転載を機にバージョンアップさせました。
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スニッカーズのCM を手がけた  

本多 正樹さんとお話する機会を頂いた。

CMは、人にものをつたえる技術なので、アートではない。

でも、生き方がアートだなぁーと思ったので、ちょっとご紹介します。

広告会社の営業マンからキャリアをスタートした

本多さんだが、制作については素人だった。

そんな中、CMプランニングの基礎から学ぼうと、

専門学校の門をたたく。

公募の受賞パーティーで知り合った方に紹介され、

今の会社に、CMプランナーとして入社。

怖いもの知らずで、ラッキーパンチが

当たったビギナーズラックの時代を経て、スランプへ・・・。

今思えば、クライアントの言うことを聞きすぎ、迷走していたと・・・。


しかし、くすぶっていた暗黒時代を抜ける企画を思いつく。


それが、「ニケツロデオグランプリ」!




クライアントも乗り気。
でも、直前に会社からストップがかかる!

「世界初の乗り物?

ケガ人出た時の責任の所在は?」

しかし、緻密な計算をしていた

本多さんは、腹をくくった。

問題が起きたら、責任をとってやめようと・・・。

結果、大成功。そこで得た教訓。

「新しいことをやろうとすれば、障害がおこる。

逆に、障害のない仕事は、たいした結果を残さない。
やってしまえ。」と。


これは、沢尻エリカさんの、

あのCMが話題になる、ほんの少し前のお話。


ね、アートっぽいでしょ。

そんな本多さんのブログは、こちら

広告の事例やアイデアがいっぱいあるのですが、
いくつかご紹介させていただきます。

その中の1つが、こちら。




日本も台風シーズンですが、
アメリカの台風(ハリケーン)をモチーフにした

非常に面白いキャンペーンをご紹介。

気候変動問題の解決に向けて運動する団体、
350Actionが仕掛けたClimateNameChangeです。


アメリカでは、大きなハリケーンにアンドリューとかカトリーナとか、
なぜか人の名前を付けるのが慣例になっています。


これを利用して、気候変動の事実を認めず各地の
甚大な被害の根源になっている一部の政治家に抗議するため、


ハリケーンの名前を彼らの名前に変えるよう名付け元の
世界気象機関(World Meteorological Organization)に
嘆願するというユニークなアイデアです。


もしこの嘆願書が通れば、
「カトリーナが猛威を振るっています」という報道が
「マルコ・ルビオ上院議員が猛威を振るっています」と変わり、

世間の気候変動問題への関心を煽れるという訳です。


このアイデアの素晴らしいところは、
ハリケーンの名前を変えるという
たった一点の交換(パロディ)で
全て言いたいことが表現できてしまうところ。

ビデオの視聴数は200万に近づき、
嘆願書に必要な7万5千人の署名も
ほぼ達成圏内に入ってきているので大成功といえるでしょう。

制作は、数々の名作ユーモアCMを作ってきた
Gerry Graf率いるBarton F. Graf9000。

彼らお得意の毒っ気あるユーモアが
こういった抗議運動とうまくマッチしたのが発見です。


最後に、もう一つ。

オーストラリアの鉄道事故防止のキャンペーンの事例。


こちらは、今、現在YouTubeで、6000万回以上の再生を数え、

Dumb Ways To Die
(グランプリ5冠 PR部門/Direct部門/Radio部門/Integrated部門/Film部門)

を受賞した作品。

“おバカな死に方あるよね。こんな、おバカな死に方しないように・・・”
っていう、メッセージで結果、事故が21%減ったとか・・・。

ただ、面白いだけではない、効果もきちんとあるということを実証した広告でした。






(ちなみに、こちら→日本語訳バージョンです。よろしければ、どうぞ!)




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