2013年9月12日木曜日

【未来のヒトラーに操られないたった1つの方法】

人間は、弱いもので、“不幸”な状況になると、、
望みを託す対象の出現を希求するもの。

困ったときの神頼み

誰もが、1度は、経験したことがあるのでは?

平たく言えば、“自分を不幸にしない”ことが、
操られないたった1つの防御策と言えるのではないでしょうか?

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オリンピック、2020年の東京開催に決まりましたね。
賛否両論ありますが、個人的には、とても楽しみにしています。

さて、それと関連付けるわけではないですが、
歴史上、最も早く、オリンピックに神聖なイメージを与え、
国家意識と関連付けて、盛大な祝典に変えた政治家は誰か?

Source: "Kirinuke"
それは、アドルフ・ヒトラー(1889-1945)です。


ドラッカーは、ヒトラーが焦らず、じっくり5年くらいかけて、
根回しをしていれば、ヨーロッパは、全て国家社会主義に
席巻されていたかもしれないと言っています。

なぜか?

それだけ、大衆は、経済の混乱に疲弊し、苦しんでいたからです。

ドラッカーは、第1次世界大戦後の世界の状況を見て、
国家社会主義の本質は、軍国主義や弾圧や暴力ではなく、
脱経済市場主義”にあったと考えました。

だから、資本主義や社会主義にも嫌気がさしていた、
当時のヨーロッパの人々は、自らを“幸せ”にしてくれる
新しい“主義”に魅了されたのは、ある意味当然の帰結でした。
(詳しくは、『経済人の終わり-全体主義はなぜ生まれたか』)

さて、本質はわかっても、
どう扇動されたか?ということがわからないと、
どこで、道を間違えたかに気づくことはできません。

人間は誰でも自由意思で、行動しているように見えるが、
実は、人間なら共通に持っている心の動きがある。
それは、何か刺激を与えれば、誰でも同じように反応するというものだ。
例えば、暗い場所で隅から光をさしてくれば、人は光の方向に目を向ける。
(『ヒトラーの大衆扇動術』より)

ヒトラーは、“不幸な状況”を生み出した原因を、
「ドイツ民族を分裂させようと企んでいる全ての人間」のせいにして、
共通の敵”としてのユダヤ人やマルクス主義者を排斥。

つまり、“共通の敵”が出てきた場合、いったん、冷静に考えた方がいい。
誰か、得する人がいるんじゃないかと。

ただ、難しいのは、そうなるときの、
チームをまとめる“目標”、“ビジョン”の扱い方。

言い方は違えども、どう区別するのか?という問題がでてくる。
これは、「哲学」の問題。だからこそ、“良き方向”とは何か?は、重要。
(丁寧に話さないといけないので、今日のところはご勘弁を。)

さて、戦後賠償で、失業率40%とも言われた、
とんでもない“不幸な状況”の中、ドイツ国民は、
ヒトラーを生み出し、結果、意のままに動かされてしまった。

つまり、操られないたった1つの方法とは、
自分を不幸にしない”こと。

そのためにも、

1)衣食住を確保できうる経済的基盤。
2)自らを無価値にさせない社会的基盤。
この2つは、最低限、必要。

「歴史に学ぶ」ということは、
歴史上で起こったことを、現代的に解釈すること。
そして、それを自らの状況に当てはめ考え、行動すること。

そうでないと、自らの“不幸”に際し、
同じ手口で、まだ見ぬ“ヒトラー”に操られないとも、限らない…。

ちなみに、ヒトラーが、民主主義の手続きを踏んで、
政権を取ってから、まだ、100年も経っていない…。

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